みなさんも「花鳥風月」という言葉を耳にしたことがあるかと思います。改めて辞書を引いてみますと「美しい自然の風景」「自然の美しい風物・景色」また「それらをたしなむ風流(風雅)」とかいう意味だそうです。日本人は古来より自然を愛し、また絵画の題材としても重要でした。
花の好きな人は多いと思います。花は人に安らぎと癒しを与えてくれます。わたくしも花が好きで本や新聞記事で気に入った所があるとよく見に行きます。人が花を愛する理由はいろいろだと思いますが、わたくしなりに花に惹かれる理由を考えてみました。「人は本来的に美しいものに惹かれる」ということ。また「季節の移ろいや生命、自然の営み、自身が生きていることの実感」といったものを感じます。
泉南市には規模は大きくはないけれど、花の名所がたくさんあります。特に早春から初夏にかけては様々な花がまちを彩ります。3月には金熊寺の梅林、4月には堀河ダム、種河神社、海会寺跡広場の桜、熊野街道信達宿の藤、5月には、林昌寺のツツジとサツキ、花咲きファームのイングリッシュローズ(10月には秋バラも咲きます)、岡田浦海岸のハマヒルガオ、6月には浄光寺の花菖蒲、長慶寺の紫陽花(アジサイ)といった具合です。また、ハイキングがてら、お菊松のササユリもいいかと思います(途中、急な坂や道が枝分かれし迷いやすい場所もあるので、くれぐれもご注意ください)
関西には花の名所がたくさんありますが、小さなまちにこれだけ多くの花の名所のあるところは寡聞にして知りません。
それでは6月の花の見所をご紹介します。
浄光寺の花菖蒲(6月5日撮影)
平家の落人が庵を結んだのが始まりといわれている寺。境内と白塀に並べられた鉢植えの花菖蒲。紫・藍・白・黄といった色とりどりの菖蒲が彩りを添えます。今年は例年に比べて花の数が少ないのが残念ですが、撮影日は6~7分咲き位?もう見頃です。
長慶寺の紫陽花(6月5日撮影)
山門に至る石段の両脇と境内奥の寺林内に紫陽花が咲きます。同じく撮影日は5分咲き位?こちらも見頃を迎えます。
お菊松のササユリ(6月6日撮影)
大坂夏の陣でお菊が髪を切り落とし男装したと伝わる場所。自生のため数は少ないですが、あたりにはピンク色の可憐なササユリが咲きます。非業の死を遂げたお菊の魂を慰めているかのようです。こちらも撮影日現在咲き始めです。
(文・写真 K.H.)