今年は、太陽が恨めしく、汗かきの私には耐え難い猛暑日が続く。やっとの夕立で一息つき、団扇で涼風を得ていると、ふと「団扇」と「涼風」が夏の季語であることを思い出した。少し調べてみると、今年は、8月7日の立秋の前日まで、つまり7月7日から8月6日までが「晩夏」であり、今はすでに「初秋」とのこと。ちなみに辞書の中では晩夏の季語として、「海水浴場」、「夏休み」、「冷房」、「帰省」、「冷やし西瓜」などの言葉が続く。

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  夏の風物詩でもある「海水浴場」では、全国的に来場者の減少が続く。タルイサザンビーチも例に漏れず、開設当初の来場者数15万人をピークとして、ここ数年は4万人前後で推移している。その原因として、頻繁に訪れる台風とともにレジャーの多様化の影響が大きい。

  公益財団法人日本生産性本部余暇総研が実施した「レジャー白書2016」によると、レジャーへの参加人口は全体として増加しているとの結果が報告されている。ただし、15歳から19歳の子供たちを見てみると、男の子の第1位が「テレビゲーム(家庭)」、第2位が「映画(テレビ以外)」、第3位が「ジョギング、マラソン」、また女の子の第1位が「SNSのコミュニケーション」、第2位が「カラオケ」、第3位が「映画(テレビ以外)」であった。より一層、夏の太陽から遠ざかる、内向きの多様化が進んでいるようだ。

   一方、日本に在住している外国人の方に「日本の夏といえば?」と訊いてみた結果が新鮮で、おもしろい。「風鈴。音を聞くと落ち着きます。」(インドネシア・女性)、「スイカと浴衣です。その雰囲気が好きです。」(イタリア・女性)、「手持ち花火。最近まで一部の州では違法でした。」(アメリカ・女性)、「夕涼みの文化、花火や祭りの文化も面白い。」(ウクライナ・男性)など、懐かしい日本の原風景が並ぶ。

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  さて、ここは日本の夏を満喫している外国のみなさんを見習って、残り少ない夏休みを利用して冷房がかかった部屋を飛び出し、子供たちと一緒に海水浴に行ってみよう。そこで氷で冷やした西瓜を食べてみて、改めてみんなに「日本の夏といえば?」と訊いてみたい。

(文・写真:KH)

 

 

 

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