私が小さい頃、10月は特別な月で、大変待ち遠しい思いをしていた記憶があります。道を歩けば、どこからともなくキンモクセイの花の香が漂ってきて、思わず口を閉じ、思いっきり匂いを嗅いで、子供心に何とも言えない心の安らぎを感じたのを覚えています。今でもその癖は治っていませんが・・・。

   行事も楽しみなものがありました。運動会やお祭り、それと私事ではありますが、誕生日もあり、なんともわくわくする気持ちでいっぱいになったのを覚えています。

 運動会では、お弁当の中身が気になって仕方なかったですね! 「今日は何が入ってるんやろ? 大き目のおにぎりと卵焼きは絶対入っているだろうが、その他は何? 普段のお弁当では絶対に登場しない、すごいおかずが、お重の中に入っていたらいいのになぁー」と思いながら、昼休憩がくるのを、まだかまだかと待っていたのを覚えています。午前中最後の競技が終わると一目散に家族の待つ場所へ。初物のみかんや梨といった果物に、確か栗もありました。何か昔のなつかしい思い出が蘇ってくるようです。初恋の記憶じゃないですが、甘酸っぱいみかんを食べて、ぶるっと身震いしたのを覚えています。

 もう一つ楽しみな行事がお祭りです。やぐらも好きでしたが、私はどうも食べることが好きなようで、食べ物の記憶のほうが鮮明に残っています。エソや小海老で作る押し寿司、小アジの酢じめで作った大き目のにぎり寿司。自宅で食用として飼育していた軍鶏のすき焼き、やぐらの屋根の上からまくみかんに、おばあちゃんが蒸してくれた栗も大好物でした。泉南市には、たくさんの「地の物」があり、昔ながらの調理法で、美味しくいただいていたような気がします。

関空夏まつり・はこだて・栗拾い 028

 今月13日の土曜日には、泉南市楠畑地区で栗拾いのイベントがあります。楠畑の集落から奥へかなり入った所の栗林まで道端の草木や花を見ながら歩きます。最初は、普段、嗅ぐことのない土の匂いや、木の匂いなど、森の香りに包まれて、何だかリフレッシュできそうな気持ちになり、「うきうき」しながら歩きます。しかし、日頃の運動不足がたたり、すぐに「はぁはぁ」言いながら、やっとの思いで栗林に到着!そこからは、しばらく子供に帰ったように、夢中になって栗を拾います。「こんなに大きくて立派な栗が泉南市の山にあるのか」と感動しながら拾います。そんな夢中な時間が過ぎれば、また「はぁはぁ」です。最後は、取りたての栗を炭火で焼いて食べて終了。帰りは下りなので、スムーズに下山します。

 どうですか?皆さんも季節と地元を味わう時間をもたれてみては!  

関空夏まつり・はこだて・栗拾い 031

    (文責 Y.M.)

※今年の栗拾いイベントは、すでに募集締め切りしました。また、来年よろしくお願いします。

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