Vol.3 サザンブリーズを感じながら
梅雨の時期の晴れ間を狙って、海辺の特等席にはカップル達が集まり始める。ここマーブルビーチは、握りこぶし程の白い大理石の玉石を敷き詰めた珍しいビーチで関西空港の対岸を象徴する。平成18年に「恋人の聖地」に認定され、恋人達の穴場スポットとして親しまれている。一見同じ形の玉石のように見えるが、玉石の中にはハート型の玉石があるとか。その希少な“ラブストーン”を探す共同作業で二人の絆を深めてみるのもいいだろう。
ここは日本の夕陽百選にも選ばれており、大阪湾に沈む夕陽がなんとも言えず美しく、白い大理石のビーチが赤く染まる光景が絶景だ。この夕陽のパワーが二人をより強く結びつけてくれるのだろうか。
マーブルビーチに訪れたなら地元の野菜や特産品を扱う「せんなんわくわく広場サザンぴあ」でのショッピングを忘れてはならない。店内では食事を楽しんだり、採れたて野菜が安価で購入できるほか、地元の牛乳屋がソフトクリームを販売しており、海辺でいただくソフトクリームが絶品だ。
さらにマーブルビーチを南西に進むと美しい白い砂浜とヤシの木が迎えてくれるタルイサザンビーチに到着する。まるで海外を思わせるような雰囲気だ。
関西空港を目の前に離発着する飛行機を眺めながら遊泳できる海水浴場で夏場には多くの海水浴客で賑わう。ビーチラグビー大会をはじめマリンスポーツや音楽イベントなど様々なイベント開催も盛んなビーチだ。
そんな賑やかなビーチには、時には人だけでなく珍客がやってくる。ウミガメだ。毎年ではないものの平成7年、11年、22年、26年と産卵でやってきて、泉南生まれのウミガメがよちよち歩きで大海原へと旅立つ姿が印象的だ。運がよければウミガメの産卵に遭遇するかもしれない。
また、この付近では青白い光を放ち幻想的な夜の海を演出するウミホタルが生息している。大阪湾のビーチというと水質が気になるという声があるが、ひと昔前と比べると水質はよくなってきているという。ウミガメの産卵やウミホタルの生息がそれを実証しているのだ。
泉南市観光協会ではウミホタルの観察会を開催しているので、その美しい光を見逃さずにおきたい。
タルイサザンビーチの海開きは7月9日(土)。今年も多くの家族連れや若者達で賑わうだろう。
サザンブリーズ(南風)を感じながら、マーブルビーチからタルイサザンビーチまで泉南市の浜辺の散歩はいかがだろうか。
(文・写真 河村直樹)