スーパーに行くと11月ぐらいから、鏡餅が売られています。
  まだ、クリスマスも来ていないのに、もう年末商戦が始められているな・・・と横目に見ながら、今年はどんな鏡餅を購入するかなど、年末の買い物のことを考えながら、スーパーを後にしています。
  最近は、メディアで人気のおせちランキング等を特集するのを目にすることも多く、百貨店限定のおせちや有名料理店とコラボレーションしたおせちなど、多様な種類のものが販売されています。

お雑煮1

  ところで、お正月のもう一つのメイン料理、お雑煮は家で作る方が多いと思います。
昔は「関西風は煮丸もち・白みそ」など地域によってある程度、特徴がありましたが、近年は、インターネットには多種多様のお雑煮のレシピが掲載されています。もしかすると、モチの種類、だしの種類、具材などが、隣の家と自分の家では全く違うということがあるかもしれませんね。

  数年前、親元から離れた私は、実家の味を思い出しながら作ってみました。近い味になるのだが、何かが違う。だしを増やしてみたり白みそを足してみたり試行錯誤をしてみました。最初よりは近い味になったが、やっぱり何かが足りない。私が入れた材料は、「丸もち、金時人参、大根、油揚げ」そして最後にみつばを入れようかと・・・。何が足らないのだろうか。そうこうしている間に、結局、謎が解けないまま正月を迎えてしまいました。

お雑煮2

  数日後、実家に帰った時にお雑煮を出してもらったので食べました。いつもと変わらない味にほっとしながら、ふと、昨年の謎を思い出したので、母親に聞いてみました。
  母は、材料が違うのではと言い、具材を次の通り教えてくれました。

  母「丸もち、金時人参、大根、油揚げ、みつば」
  私「うん、うん」
  母「あと、とろみを出すために、里芋入れているけれども」
  私「えっ!! さっ、さといも~!そうか里芋か」

  毎年食べているはずなのに、全然覚えていなかったのです。母が小さめに切っていたため、煮込んでいるうちに、里芋が溶けてしまい、わかりづらくなっていたのでした。母から聞いた私は、帰ってから早速、里芋を入れてみることに。だんだんお雑煮にとろみがついてきました。食べてみると、確かにあの味になりました。
  たった、一つの具材が違うだけで、こんなにも味が変わるのだなとしみじみ思った年始でした。

  泉南市は大阪府下で、一番の里芋の収穫量があり、里芋を入れたお雑煮を食べている機会も多いと思いますので、今、このコラムを読んでいる皆さまには、この謎は簡単に解けていたかもしれませんね。
  平成12 年3月に、当時の文部省、厚生省及び農林水産省が連携して「食生活指針」を策定し、平成17 年に食育基本法制定後、「食育」という言葉が世間に広まり、教育現場でも食事が重視されるようになっていきました。その後「地産地消」という言葉が流行し、食を通じて地域等を理解すること、食文化の継承を図ること、自然の恵みや勤労の大切さを理解することを目的とし、子どもたちの教育現場では生きた教材として伝統野菜を使用した給食が出されています。子どもたちが大人になり、泉南市から離れることがあっても、「お雑煮には里芋」の食文化が継承され続けていくことを願います。

里芋

(文責 T.Y)

【参考HP】

厚生労働省HP

文部科学省HP

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